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フィジカルマネジメント太陽堂、中田 敬之さん|顧客との関係性をつくるのは「なぜやるのか」と「余計なことに挑戦すること」

「お客様に継続して通っていただけない……。うまく信頼関係を築くためにはどうしたらいいだろうか?」

 

整体や接骨院を開業したあと、継続して顧客に通ってもらうことは簡単ではありません。なかなかうまく関係を築けず苦しんでいるオーナーも多いのではないでしょうか。

 

今回お話をお聞きしたのは、腰痛治療専門の施術を行うサロンオーナーの中田敬之さんです。整骨院やデイサービスの勤務、独立しての訪問治療を経て、自らの店舗を開くことを選択しました。

 

「お客様と関係性を築くうえで”なぜやるのか”を伝えることは大切です」

「付加価値を生み出すために”余計なこと”をいろいろ行っていました」

 

顧客のリピート率が8割を越える中田敬之さんに、顧客との関係性づくりにおいて重要なことについてお話を伺いました。

 

「いかに自宅や職場で、体をケアできるか」を意識している

──本日はよろしくお願いいたします。お仕事の内容についてお伺いできますでしょうか?

よろしくお願いいたします。

私の整体は、腰痛治療専門でやらせていただいております。特に対象となるのは、整骨院や整形外科などで1年、2年と長い間通っていても症状が改善しない方です。他の整骨院とは異なる角度からアプローチをすることで改善を図っています。

例えば、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアのような症状は、場合によってはお腹の筋肉をほぐす必要があります。ですが、そうした施術は整骨院では行いません。

体の状態を確認したうえで、筋肉をほぐし、痛みを改善していきます。

 

──他の店舗と差別化されているのは、どのような点が挙げられますか。

施術を受けたら楽になるということはよくありますが、今までの体の悪い癖が起因して日常生活の中で段々と元の状態へ戻ってしまうことが多いです。

そこで私が心がけていることが、自宅や仕事中での体操を中心に、「施術を受けていないときでも、自分で自分の体をケアできるか」という点です。

 

お金も人脈も経営スキルも、ゼロからのスタート

──集客はどのように行われているのでしょうか。

患者様からの紹介が主です。あとはFacebookでイベントを立て、興味がある方に参加していただくという形も取っております。

このサロンで施術を行うのが月に10日~15日ほどで、1日平均して一人を施術しています。その他は、イベントやセミナーの開催、お宅への訪問に充てています。

特に、訪問の施術は大事にしていきたいと考えています。店舗に出向けないような方にも健康になっていただきたいからです。個人での訪問は店舗を開く前から、4年ほど行っています。最初はお金も人脈もビジネススキルもない状態でのスタートでしたので、本当にご縁で続けていくことができました。

 

「膝が痛いから来られない」施術を受けるべき人が受けられないことへの違和感が独立のきっかけ

──独立は当初から考えていらしたのでしょうか。

当初はそこまで考えておりませんでした。整骨院で10年働いた後、リハビリ特化型のデイサービスの所長を2年間勤め、そのあとに独立を選択しました。

 

──独立を選択された理由やきっかけは何だったのでしょうか。

会社に所属していると、自分が本当にやりたいことができない現状に違和感を感じたためです。

整骨院で働いているときは、1日にできるだけ多くの患者様を診るかが大事になりますので、一人ひとりに対して時間をかけて向き合うことは困難でした。そこで、デイサービスを選択しました。

 

しかし、次にぶつかったのが、保険制度の壁でした。

保険制度だと「ここからここまでしかできない」という範囲が決められてしまいます。そのため、患者様が本当に求められていることができないことがありました。

例えば、建物の2階に住んでいるおばあさまを担当していたときのことです。その方は普段2階で生活されていて、外に出るときは階段を降りて1階に出られます。しかしある日「膝が痛い。行きたいけれど、階段が降りられない。だからデイサービスを休ませてほしい」というご連絡をいただきました。こうして、来ていただきたい方に来ていただけない状況に疑問をおぼえました。

そのときに、「保険外だったら、自分の意思で必要としている方に対して施術できる。保険を使わない自費の訪問のスタイルをやっていきたい」と思い独立を選択しました。

 

他にはない付加価値を生み出すために「余計なこと」へ挑戦し続けた

──独立された当初はどのように集客されていたのでしょうか?

デイサービスの所長をやっていたときにお仕事をいただいていたケアマネージャーの方から、保険を使わなくても施術を受けたい方や、リハビリ施術を受けたい方を紹介してもらっていました。

リハビリは保険を使うことで安く抑えることが可能ですので、「なぜ保険外でやらなきゃいけないの?」というのが大半の方の見方でした。そんな中で、付加価値を生み出すことは困難でした。

 

──どのように付加価値を生み出されたのですか?

「余計なこと」をやっていこうと意識しておりました。

例えば、施術中にかける音楽を患者様が好きな音楽にしたり、外出できない方に向けて、一本の木を使って季節の移り変わりを感じていただいたりしていました。

一見すると余計なことかもしれませんが、その患者様と長いお付き合いができるように、患者様との関係性を大事にしております。

 

──継続的な関係性を大事にされているのですね。

もちろん施術をして結果を出すことも大事ですが、人との関係やつながりが仕事において非常に大事であると実感しており、大切にしています。

 

「なぜやっているのか」を話さなければ、患者様の納得と信頼はない

──患者様と接する上で気をつけられていることはありますか?

患者様と信頼関係を築くために、施術を行う理由をご本人とご家族へしっかりと伝えることを大事にしております。また、体に変化があったら写真を撮るなど、自分ができる範囲で、少しでもわかりやすくお伝えすることを心がけています。

 

──なぜやっているかを話すことが重要なのですね。

はい。説明がないまま、言われるがままに施術を進めるというケースはよくあります。

ですがご本人からすると、なぜそこを施術されているか分からず、本当に改善すべき場所を施術してもらえないのではないかという不安につながってしまいます。

 

「自分の技術に満足したことはない」目的があるから向上し続けられる

──今までを振り返って、「これをやっていて良かったな」と思うことはありましたか?

「これで技術として十分だ」と満足せず、貪欲に「もっとできることはないか」と考え続けてきたことは良かったと思っています。常にアップデートしていますので、例えば3年前に施術を受けた方が今の施術を受けると、違うように感じられるはずです。

 

──実際に3年前と比べて、患者様の満足度や、リピートしてくれる患者様の数は増えていますか?

増えています。リピート前提ではありませんがリピート率は7〜8割ほどでしょうか。情報を出し惜しみしないことで、信頼関係を構築していくことを大事にしています。

 

開業するときは、「今のお客さんと信頼関係を築けているか」を考えてほしい

──本日はありがとうございました。最後にこれから開業する方へ向けて、アドバイスをいただけますでしょうか。

開業する際は、「しっかりお客様と人間関係を築けているか」を大事にしてほしいです。

 

私が最初に独立した際は、当時担当していた数十人もの患者様の中で、2人の患者様が独立後も施術をうけてくれると言ってくださりました。それが本当に嬉しかったです。

独立したあとも、関わった方はこちらの勝手な都合でやめたりせず、お客様とはずっと関係を続けていくような気持ちで臨んでいただきたいと思っています。

 

※撮影協力:松下 晃太
※記事協力:山口 遼大

プロフィール

中田 敬之

柔道整復師/JCCA認定ひめトレインストラクター

・フィジカルマネジメント太陽堂

〒107-0052
東京港区赤坂9-6-30ルイマーブル乃木坂
※東京メトロ千代田線乃木坂駅2番出口より徒歩2分
※東京メトロ日比谷線、都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分

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