サロン・整体・エステ・接骨院の開業を目指す人のためのメディアサイト「EGG(エッグ)」

Spoonno神楽坂、佐治 良一さん|店舗展開を成功させるカギは、「店を守ってくれるスタッフとの関係づくり」

開業後ある程度経営が安定してくると、「店舗展開をしていきたい」と考えるオーナーもいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、店舗数を増やすことによるリスクも考慮する必要があります。例えば、店舗数が増えるほど、それぞれのお店の状況を把握するための時間がかけられなくなる等です。

 

どのようにリスクへ対処していけば、店舗展開を成功させることができるのでしょうか。そんな疑問から今回お話を伺ったのは、hair&鍼灸ハーブサロン「Spoonno 神楽坂」のオーナーの佐治良一さんです。鍼灸ハーブサロンの他にも、鍼灸整骨院を4店舗展開することに成功されています。そんな佐治良一さんに、店舗展開のコツについてお伺いました。

 

「美容院と鍼灸院が同じ敷地内にある」ユニークな協力関係

 

──本日はよろしくお願いいたします。まず、お店のコンセプトについて教えていただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。鍼灸ハーブサロンという形でハーブを取り扱っています。タイの農園から直送されたハーブボールを使用し、蒸したハーブを皮膚へ吸収させることによって、自立神経を整え、疲労回復や肌の活性化を促しています。美と健康を中心として施術をしております。

 

鍼灸治療に関しては、産後や日常的な姿勢などからくる骨盤の歪みに対して、骨盤矯正などを行っています。妊娠直後や年配者の方は、筋力の低下からくる影響で姿勢の悪さや疲労につながっている場合があります。その解決のためにパーソナルトレーニング的な加圧トレーニングを行うこともあります。

 

ユニークな点でいうと、美容室と同じ敷地内で経営をしていることでしょうか。

 

──それは興味深いです。詳しく教えていただけますでしょうか。

美容室と組んだきっかけは、この美容室を経営しているのが高校の同級生で、たまたま独立を考えていたということでした。せっかくであれば、経営は別々でも、一緒の敷地内でやろうということでスタートしました。

今の時代、美容室も鍼灸治療院もたくさんありますので、選んでいただくことは難しくなっています。そこで、美容室のお客様が鍼灸に興味を持ったり、鍼灸のお客様がカットも受けたり、といった相互関係を深めることによって付加価値を生み出せるのではないかと考えました

 

 

──最初はカット目的で美容室へ来ていたお客様が、鍼灸へ来るといったことは実際にあるのでしょうか?

はい。鍼灸に興味はあるけれどなかなか行く機会がなかったという方にご来店いただいております。そういう意味で、1つの業種でしぼって鍼灸院という形でやるよりも、別のお店と協力する形でやったほうがいいスタートを切れるのではないでしょうか。

 

鍼灸院を開業されている方は、最初のお客様の獲得、ファン化するまでに時間がかかるという話があります。鍼灸へ実際に行くまでにはハードルがあり、一度行ってからも定着するまでには時間がかかります。「まずは知ってもらう」ことが大切になっていく中で、他の業種と組むことは、これからの時代のニーズとマッチングしているのではないでしょうか

 

美容室と鍼灸のような異業種は需要が被ることもないため、良い関係を作りやすいと考えています。

 

「経営するだけでは嫌だった」前線に立つために現在のサロンを開業

──他にも4店舗を経営されているそうですが、それらも鍼灸の店舗なのでしょうか?

鍼灸整骨院です。よくある街の鍼灸院、整骨院をイメージしていただければと思います。

現在4店舗あるのですが、普通は私が社長としてこれら店舗の経営に専念するのが一般的だと思います。しかし、私はどうしても治療家として施術もしたいという思いがありました

ただ、当然スタッフがいますので、院内で私が前に出すぎてしまっても、スタッフは気持ちよく働くことができません。ならば個人のお店で、自分の技術を発揮してのびのびできる形を作りたいと考え、現在の鍼灸ハーブサロンを始めました。

 

──4店舗経営しつつ、自分で施術する場として新たに設けるというのは、ユニークなスタイルだと感じました。

ありがとうございます。どうしても経営側に回ると社長業に専念しなければならないというイメージがありますが、自分が積み重ねてきた施術の技術を活かす機会がなくなってしまうことは嫌だと考えていました。

 

また、スタッフが育ってきますと、独立するかどうかで悩む時期がやってきます。

これは2つのタイプの方がいると思います。技術があって経営面でも成功する方と、雇われる立場で力を発揮できる方です。

後者の場合、独立はなかなか難しいのではないかと考えています。ならば経営的なところもある程度含めて、うちの店舗で腕を奮ってもらい、私は黒子に徹する方がお互いやりやすいのではと思いました。そうした棲み分けはうまくできているのではないでしょうか。

 

 

──なるほど。日々のスケジュールとしてはどのように働かれているのでしょうか。

平日の午前中は鍼灸整骨院の方で施術をするかスタッフの面談をしています。

サロンは午前中から夕方まで、鍼灸師である妻に担当してもらい、私は夕方から夜の時間で担当しています。さすがに整骨院をほったらかしにしてしまうと空中分解してしまうかもしれませんので、どちらにもしっかりと顔を出すようにしています。

 

「型にはめすぎるのが好きではない」店舗数が増えすぎるリスク

──店舗展開したいというオーナーの方も増えていると思われます。佐治さんが店舗展開をされてきたうえでの秘訣などありますでしょうか。

正直、10店舗や20店舗あるお店と比べますと、私たちの組織はまだまだ組織化しておりません。もちろん組織化することは大事ですが、型にはめすぎるのがあまり好きではない、というのが私の思いでした。

10店舗以上になりますと、それなりに型にはめて組織化する必要があります。しかし4店舗ほどであれば、組織化されすぎず、ある程度自由な形での経営を実現しています。スタッフの働きやすい環境はできるだけ作っていきたいと思っています

 

店舗を増やしすぎるとスタッフの息苦しさにつながるのではないかという不安がありました。

スタッフ同士の関係が悪いと、お客様も嫌な空気を感じてしまうものです。面談など、関係づくりに時間を割いていることは、そうした意味でもプラスにつながっています。

 

「数字ばかり追いすぎない」経営者である以前に治療家としての姿勢を忘れない

──集客で壁にぶつかるオーナーが多いのですが、集客面で意識されていたことは教えていただけますか。

アナログかもしれませんが、技術ありきではないでしょうか。

どうしても数字を追いすぎると、お客様にその意図が見えてしまいます。もちろん、経営する以上数字は大事ですが、治療家としては、お客様の症状に対して真摯に受け止め、「週に1回でいい」「週に2回必要」など、しっかりと理由を交えたうえで説明をすることを大事にしています

 

やはり営利目的が見えてしまうと、お客様が離れてしまいます。営利も大事ですが、お客様が求めるのは何よりもまず健康です。そこへ向き合い、説明し、施術をしていくことは、やはり本質的な部分ではないでしょうか。

Webで知ってもらうことは大事ですが、実際に来てもらったときに、どうファン化するかも大事で、そのうえで技術は重要な要素になると考えています。

 

店舗を守ってくれるスタッフとの関係性づくりが、店舗展開では重要

──本日はありがとうございました。最後に、これから開業・独立を考えているオーナーの方、もしくは店舗展開を考えている方へアドバイスをいただけますでしょうか。

ありがとうございました。独立を考えているのであれば、お客様に失礼のない技術は備える必要があると考えています。正直学校で教わってきたことだけでは、いろいろな症状への対応が上手くいかないことは事実として起こります。まずはお客様に対する対応力や、備えを十分にしたうえで独立した方が、いろいろな面で安心だと考えています。引き出しを多く持っておくことが大事です。

 

店舗に関しては、私も5店舗しか持っていないため大層なことは言えませんが、店を守ってくれるスタッフがやはり大事です。スタッフと関係性を深める機会や、取り持ってくれる管理者を作ることは大事だと思っています。


5つの店舗がある中で、スタッフとのコミュニケーションは少なくなってしまうことがあります。それを各医院の院長先生が取りまとめてくださっているためなんとかやれています。店舗を取りまとめてくれるような方を育成することも大事ではないかと思います。

 

プロフィール

佐治 良一

 

22歳で治療業界に入り、12年鍼灸整骨院に勤務。6年間で2院の院長を経験、新規店舗の立ち上げにも尽力し、2011年に独立。現在4院の鍼灸整骨院を営む。

院外での活動として医療連携での活動、学会での症例発表、セミナー、非常勤講師、数々の著名人やスポーツ選手を施術、トレーニングに関わる。また、疼痛やシビレなどの施術以外に逆子、不妊治療も行っている。

 

・hair&鍼灸ハーブサロン Spoonno神楽坂
https://spoonno.com/sp/acupuncture/

 

〒162-0805 東京都新宿区矢来町111戸谷屋ビル2F
※「神楽坂」駅2番出口矢来口…徒歩2分
※「牛込神楽坂」駅A3出口…徒歩6分
※「江戸川橋」駅2番出口…江戸川橋通りを神楽坂方面へ徒歩8分

 

SNSでフォローする