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cut inn tanaka・田中さん|「来店したお客様が、1番の広告塔」月間400人を呼ぶ人気理容室のSNS活用

現代においては、SNSがポピュラーな情報収集の手段となりました。お店選びの手段としても、インスタグラムの一般の投稿などはスタンダードになってきています。こうした流れから、集客のためにSNSを活用している、活用を検討しているお店の数も増えています。しかしながら、自然で効果の高い口コミを生み出し、拡大させていくことは簡単なことではありません。

 

今回取材した「cut inn tanaka」の田中さんは、その独自のスタイル、積極的なSNS活用によって確実な口コミを生み出し、月間400名の顧客を呼び込むことに成功しています。

 

「写真は真正面から撮らないようにしています」

「つけるタグ1つで、届く相手が大きく変わるのです」

 

大きな成果を生んだ、SNS活用における地道で繊細なこだわりについて、お話を伺いました。

 

 

来た人がリラックスして過ごせる「社交場のような理容室」

ーー本日はよろしくお願いいたします。まずはお店のコンセプトについてお聞かせいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。コンセプトは、「社交場のような理容室」です。

 

内装をクラシックな雰囲気にしつつ、店内も幅広い空間を用意し、お客様が来たらとにかくリラックスしていただける空間づくりを大事にしています。フラッとやってきて話ができるような、そんなお店を目指しています。

 

そして、内装をクラシック、アンティークな雰囲気にした理由はもう1つあります。「男心をくすぐりたい」という想いです。継続して来てくださっているお客様にも楽しんでいただけるように、少しずつレイアウトの変更も行っています。

「床屋ってかっこいい」という部分をアピールしていきたいという思いです。

 

理容室なではのリピート率の高さで、月間来客数は400人ほど

ーーお客様は、近所の方が多いのでしょうか。

はい、近所の方が多いです。ですが若いお客様ですと、車で3~40分かけて来られる方もいらっしゃいます。

 

 

ーー根強いファンがいらっしゃるのですね。月間にどれくらいの方が来店されるのでしょうか。

月間だと、300~400人ほどの方にご来店いただけています。1日10人以上のペースになります。

 

これだけご来店いただけている理由の1つとしては、理容室の特徴もあると考えています。短いヘアスタイルをメインに扱っていますので、その分お客様の通われる周期も短く、来店頻度も上がるためです。

 

2週間に1度来てくださっている方もいらっしゃいますし、リピート率も良いため、安定してお客様にはご来店いただけている状況です。

 

ーーすごいですね。それだけ髪型に満足されているということでしょうか。

非常に嬉しいことです。あとは、弊店は市販では扱っていない整髪料を、こだわって選び輸入しているため、それも差別化の要因になっています。実際に、それらの整髪料を購入してくださる方も多いです。

 

「1日1回の投稿を心がけました」注力の結果、若い人のほぼ100%がSNSによる来店

ーー具体的な集客の手段としては、どのような手段を取られているのでしょうか。

主な集客方法はSNSです。インスタグラムがメインの広告になっており、若い年代のお客様にはそこからご来店いただいています。

 

SNSは、無料でお客様にアピールできますので、1日1回投稿することは決めていました。投稿・発言をいろいろなところから拾っていただき、来店につながるようには意識していました。

 

そのおかげか、若いお客様はほぼ100%インスタグラムからご来店いただいているほど、主要な集客方法になっています。

 

ーーこだわって結果につなげられたのですね。投稿されている写真もかなりピシッときまっていると感じました。

ありがとうございます。理容室の大きな強みが発揮されるのが短いヘアスタイルですので、そこをアピールし、短いヘアスタイルが好きな方にご来店いただき、拡散していきました。

 

スポーツ選手の方など、今は徐々に短いスタイルが増えてきています。やはり理容室、床屋の強みは短いスタイルですので、美容室さんに負けられないという思いもあり、積極的に発信しています。

 

「お客様自身が、お店の広告塔」自然な口コミを生んだ、仕事への姿勢

ーー仕事に対する強い思いがあったのですね。最初からうまくいっていたのでしょうか。

いえ、お店を始めた当初は、気合いを入れすぎて、かっこよさを強く意識したチラシを作って配っていたのですが、全く反応がなく苦労しました。

その地域にあったものを作り、見やすさを重視しないと、反応がないということを学びました。この地域に寄り添った方法を取るようになってからは、地元の方にも来ていただけるようになってきています。

 

ただ、やはりオフラインだけでは新規の方の獲得に限界があると思ったため、SNSに力を入れはじめました。すると、口コミで若いお客様にも来ていただけるようになりました。やはり、第3者から評判を聞いたほうが、店からの直接の宣伝よりも効果があります。

集客効果を考えるうえで、髪をカットして送り出したときに、そのお客様自身がお店の広告塔になるのが理想的だと思っています。友人や家族が「その髪型いいね!どこで切ってもらったの?」と聞いて、弊店を知るような流れです。そうした自然な口コミが生まれているのを感じます。

 

すぐに反応がわかり、改善していけるという現代の強みを活かすことがSNSのポイント

ーー素敵ですね。インスタグラムに力を入れている美容室・理容室は多いのですが、活用しきれていないケースも多く見られます。田中さんは、ご自身で勉強されたのでしょうか。

はい。かなり試行錯誤を繰り返しており、写真の撮り方、タグの付け方などを勉強しています。例えば、写真について意識していることは、「真正面から撮らない」ということです。

 

正面の見栄えというものは、誰が見てもかっこいいものですが、普段人が話すときに見られるのは45度の角度なのです。ですが、ここは自分では確認できません。

 

そこをいかにかっこよく見せるかを意識しています。45度の角度で見たときにどう見えるかを写真としてアップロードしています。そこが差別化の要因になっています。

※Instagram cutinntanaka ( https://www.instagram.com/cutinntanaka/

ーータグについても研究されているとのことでしたが、そちらもお聞かせいただけますでしょうか。

フォロワーが多い方の投稿を見て、「どういうタグを使っているのか」を見ていました。

 

また、実際タグを押してみて、「どれだけ検索数があるのか」ということも確認していました。そうした情報をもとにタグを細かく変えていくと、フォロワー以外の全く別の方からアプローチが来るのは面白い部分でした。タグ1つを変えるだけでも、大きく反応が変わってきます。

 

こうして、すぐに反応がわかり、改善していくことができるのはSNSのいいところだと思います。良いものは良い、悪いものは悪いという結果をすぐに確認できます。

インスタグラムの広告も毎月出しているのですが、いろんな種類の髪型、店内の雰囲気がわかる写真を使い、比較しながら効果を確かめています。

 

インスタグラムの広告ではインパクトが大事になってきます。すぐにスクロールされてしまいますので、いかに他と比べて目につくポイントがあるかは大事です。

 

ーーインスタグラムの他には、どうやって集客されているのでしょうか。

ホームページを見て来店される方も多くいらっしゃいます。Webでの検索順位を上げるためのSEO対策と呼ばれるものも、自分で力を入れてやっていました。

じっくりやったおかげか、今は「埼玉 barber」で検索すると2番目に上がってくるなど、結果につながっています。妻と協力しながら日々調べてやっていました。

 

あとは予約方法も積極的に改善しており、若い方に合わせて、LINE@でも予約を受け付けています。

お客様もLINE@であれば友達感覚で、「今何時が平気ですか?」といった連絡ができるため、そうした気軽さが予約のしやすさを生み、集客につながっています。

 

「床屋はダサい」から、「男はやっぱり床屋だな」へイメージを変えていきたい

ーー現在、若い世代では理容室と比べて美容室がポピュラーになっているように感じますが、田中さんとしてはどのように考えていますでしょうか。

「床屋はダサい」「おじさんがやっている」というイメージをいかに払拭できるかは課題です。

理容室に勤めようという方は、業界的に確実に減っているのが現状です。美容師の方がきらびやかでかっこいいイメージがどうしてもあることは否めません。

 

そうした中で、理容室の職人的なカッコよさ、こだわってスタイルを作っていく姿を伝えていくことで、「男は床屋だな」と思っていただけるように仕事へ尽力したいと考えています。

 

お客様の中でも、「理容師になりたい」という方が少しずつ増えてきていまして、地元を盛り上げていけたら嬉しいことです。引き続きカッコいい方を増やして、そうした雰囲気をつくっていきたいです。

 

自身の売りになる部分を見つけ、伸ばすことで生まれる強いコンセプトが人を呼び込む

ーー本日はありがとうございました。最後に、これから開業・独立したい方へ向けてひとこといただけますでしょうか。

ありがとうございました。勉強していく中で、「ここは自分の強み・売りだ」という部分をとにかく作ることが大事だと思っています。ただ闇雲に勉強するのではなく、自身の伸ばしたい方向性が見えてくることで、世界が広がってきます。


コンセプトがしっかりしていなければ、お客様には来ていただけません。逆に、コンセプトが強ければ、そこに共感するお客様が集まり、そこから波及してもっと広いお客様に広がっていきます

 

私も長い間修行期間を経ましたが、まずは地道に自身の売りになる部分を見つけ、伸ばしていくことが大切だと思います。

 

※撮影協力:松下 晃太
※記事協力:山口 遼大

 

プロフィール

田中 純平

・BARBERSHOP cut inn tanaka( https://www.cutinntanaka.com/

〒365-0054  埼玉県鴻巣市大間2-6-15

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