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紡・大島さん|美容師として、様々なキャリアを経験して見えた、完全紹介制というサロンのスタイル

自身のサロンを開業する方は多いですが、オーナーの方それぞれに、開業に至るまでのストーリーがあります。「開業しようか迷っている……」という方も多くいる中で、自身のサロンをオープンした方はどのような理由で開業を決意しているのでしょうか。

 

今回お話を伺ったサロン「紡(つむぎ)」のオーナー、大島藍さんは、美容師として様々なキャリアを経て、最終的に開業という選択に至りました。

 

当初は開業など頭にもなかったという大島さん。そんな彼女ですが、今はサロンを開業し、月に30人以上のお客様を新規で迎え入れていると言います。いったいどのような経験を経て現在に至ったのか、お話を伺いました。

 

 

プライベートな空間を提供する、完全紹介制のサロン

――本日はよろしくお願いいたします。お店の名前とコンセプトを伺ってもよろしいでしょうか。

よろしくお願いいたします。「紡(つむぎ)」というサロンを運営しています。

マンツーマンの完全紹介制のお店として、マンションの一室を使って運営しています。

 

紹介してもらわないと来られないということをバリュー(価値)にしています。ですので、Webなどにも露出していません。

 

 

――徹底されているのですね。現場は大島さんお一人でされているようですが、椅子が二つあることが気になりました。同じタイミングで二人の方が来られることもあるのでしょうか?

そうですね。二人のお客様を同時に担当することはあります。ただ、空間を大事にしたいので、基本的には友人やカップル、ご家族など、親しい方たちが「一緒に来たい」とおっしゃった時のみ、受け付けています。ですので、知らない方同士が被ることはありません。

 

 

――本当にプライベート空間ということですね。

はい。

お客様としても、一人きり、二人きりの方が落ち着くのではないでしょうか。私もあまり騒がしくなってしまう状況が好きではないので、お互いにリラックスできる空間になっています。

 

もともとは漫画家になりたかった。美容師という仕事には、愛着はあるが執着はない

――大島さんがこの店をオープンするまでの話をお聞かせ頂きたいです。独立・開業したいという思いは昔からあったのでしょうか。

独立・開業したいとは全く思っていませんでした。以前は目黒の美容室で勤めていましたが、そのときはその会社でずっと働くだろうと考えていました。

もっといえば、私はもともと「美容師になりたい!」という強い憧れでこの業界に入ったわけではありません。多くの美容師さんとは異なる部分だと思っています。

美容師という仕事に愛着はありますが、執着がないと言えばいいでしょうか。

 

 

――では、そもそもこの業界に入った理由をお聞かせいただけますか。

私は元々絵を描くことが好きだったので、漫画家になりたいという夢がありました。中学生時代には、集英社に漫画の持ち込みもしていました。ですが、結局現実を考えたときに一度諦めてしまった過去があります。

 

ただ、やはりデザインや、何かを作り出す仕事に就きたいという思いはありました。アパレルやデザイナーも考えましたし、料理なども選択肢に上がった中で、美容師という選択肢を選びました。自分に向いていそうだなと思ったので選び、そこからひたすら美容師を続けています。

 

 

――続けられていることがすごいですね。

美容師という仕事は、入社して3年間のアシスタント期間を経て、スタイリストになるというのが一般的です。しかし、3年未満で辞めてしまう人が約70%いると言われています。

その理由は「思っていた仕事と違った」という、憧れと現実とのギャップが多いのだと思います。

 

それに対して自分は、美容師という職業の「キラキラしておしゃれで華やか」というイメージをあまり持っていませんでした。元々美容師という仕事に対する憧れのようなものがあまりなかったことが、続けられた原因かもしれない、と思っています。

 

結果を出しているからといって、何でも好きにできるわけではない。会社勤めへの違和感

――最初のお店ではどれくらい勤められていたのでしょうか。

9年間勤めていました。その後、フリーランスになりました。ただ、それも半年ぐらいで終わり、吉祥寺で友人とサロンの共同経営を始めることになります。

 

 

――なるほど。まず会社を辞めることになった理由を教えて頂けますか?

社長の方針に対して違和感があったことが大きな理由でした。会社の理念は大好きだったのですが、それでも合わない部分がありました。

「言っていることとやっていることが違うのではないか」ということを思うことが度々あり、モヤモヤしていたことを覚えています。

 

私自身、成果を出して会社へ貢献している実感はありましたが、結果を出しているからといって何でも好きにできるかと言われると、もちろんそんなことはありません。当たり前ではありますが、勤めるということはそういうことではないと感じました。

 

私の中でやり続けた結果、それなりに数字も出してやり遂げて、もう私がここにいる意味がないと感じた瞬間がありました。それに加えて、私がとても尊敬していた先輩が辞めてしまったことが決め手になり、会社を辞めることを決意しました。

人のもとで働くことが向いていないのではないかと、その頃から思うようになったかもしれません。

 

共同経営してわかった、フラットな関係性で同じ方向を向く難しさ

――退職後、フリーランス期間を経て、友人との共同経営を始めたという話でした。そこに関して、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

勤めていた会社を辞めるというタイミングで、久しぶりに専門学生時代の友人と再会したことがきっかけでした。

そこで話してみると、ちょうど彼も仕事を辞めるというタイミングでした。お互いが絶対に会社を辞めないと思っていたこともあり、驚きました。これは何かあるのかなと思い、「一緒に店舗を持てたら面白いかもしれないね」という話をして盛り上がり、もう1人の同級生も加えて3人でやろうか、という話になりました。

そこからはトントン拍子で話が進み、会社を辞めてから約7ヶ月後に吉祥寺でお店をオープンしました。そこでは1年半続けました。

 

 

――その後、独立に至るわけですね。共同経営してみて難しい部分があったのでしょうか。

関係性について難しさは感じました。

上下関係ではない、友人なので、フラットな立場だと思うのですが、一緒にやっていて、思いの違いを感じてしまったことはあります。

 

経営を担当していた友人が、お店を出したことでゴールというか、満足してしまっていると感じてしまいました。1年やってみて、今後の話をしたときがあったのですが、お互いの考え方の違いに気が付きました。

それでも続けて頑張って、お互いのベクトルを合わせたり、いろいろな経営者の方に3人で一緒に話を聞きに行ったりもしたのですが、結局好転出来なかったです。

結局自分は人のもとで働くこと、人と一緒に経営することが向いてないのだと実感した瞬間でしょうか。そこから独立を決意しました。

 

遠回りしたからこそ確信できた、自身の仕事のスタイル

ただ、共同経営を経たのは、とても良い経験になったと思っています。

それがなかったら、自分の店を持っていなかったのではないでしょうか。3人で経営する難しさも感じましたね。

 

そうした経験を経たからこそ、改めて一人でやると決めて、自分の責任でやっていくのが良いなと確信したので、もうぶれないと思っています。そういう意味で今は気持ちが楽ですし、楽しいです。

 

 

――共同経営の際に、経営に近いことを経験していることも、独立してから役にたちそうですね。

そうですね。

お店を出すまでのプロセスもそこで一度見ているので、自分がお店を出す際に比較的イメージしやすかったです。困ったこともたくさんありましたが、いろいろ方に協力してもらい、今があります。

 

 

――他にも、共同経営のときに学んだことはありますか?

まずやってみる、というスピード感の重要性は実感しました。

3人の共同経営で、意思決定する際に苦労していたためです。

例えばオープンして一周年のタイミングで、これからの方向性を考えていたときに、「集客をしたい」「でもコストはこれ以上上げたくない」という堂々巡りになったことがありました。

私個人の意見としては、まずやってみて、かかった費用は売上で取り戻せばいいという考えだったのですが、他の二名が慎重で、足並みが合わなくなったときは苦労していました。

創業期において、スピード感は非常に重要だと思います。

 

いろいろな経験をしたからこそ見えた独立。より身近な方に自分の腕をふるいたい

――共同経営を経て独立後の紹介制というスタイルに決めた理由はなんだったのでしょうか?

自分が担当したいお客様に価値提供したいと思ったためです。

今までずっと美容師をやってきて、自分が信頼できるお客様の紹介で来て頂いた、より身近な方に自分の腕をふるいたいという思いです。

 

誰でも来店できる状態にすると、この考え方に合わないのだと思いました。

自分が好きなように、好きな人を、好きな時間に、担当できるようなサロンを作りたいと思い、今に至ります。

 

 

――大島さんご自身も気を使わないで仕事をできますし、お客様も気を使わないで来店できるという形ですね。

はい。私としても「こうしたい!」という思いが強いタイプなので、それを良いと思ってくれる人が来てくれれば嬉しいと思っています。

そういう形であれば、自分も楽しく、お客様も楽しいのではないでしょうか。

それで他の方にここを紹介したいと思ってくだされば、嬉しいことですし、いい世界が作られていると感じます。

 

仕事においては、好きなようにやりたいという思いが強いです。美容師を12年やってきたので、これからも楽しくできれば良いなと思っています。

 

自分、そして他の人にお金を使い、価値を提供することがサイクルを生み出す

――本日はありがとうございました。最後にこれから開業する人や、今開業して、頑張っている最中の方などに向けてひと言いただけますでしょうか。

ありがとうございました。私がこれまでの経験から感じたことは、自分自身にまずお金を使うということです。そこへの投資は惜しまないことです。

 

そして、やはり人からの信用がとても大事なので、お金や時間がなくても、関わる方たちのことを大切にしていかないと、後で足元をすくわれるのではないかと思っています。

いろいろ方のサービスに対してお金を使うということも、非常に大事ではないでしょうか。やはりお金は巡ってくるので、誰かのためにお金を使う、自分の将来のためにどんどんお金を使っていくということが大事だと学びました。

 

最初に自分が与えるということが大事だし、それがわざとらしくないことも大切だと思います。無理にではなく、相手に喜んで欲しいと、ナチュラルに思ったことに対して行っていくことでしょうか。

そういったことを意識せずにできれば、相手も楽しんでくれますし、相手から返ってくることは、別にお店に来てもらうだけではなく、様々な形で現れてくるものだと思います。

 

自分の将来に期待して、興味を持って生きていく。そういう姿勢が大事ではないかと思います。

 

※撮影協力:松下 晃太

※記事協力:山口 遼大

 

プロフィール

大島 藍( https://www.instagram.com/oshima_ai/

 

・紡(tsumugi)

東京都港区赤坂9-6
※ご予約のお客様には個別でご連絡いたします。

 

1986年3月19日生まれ、O型、魚座

趣味は絵を描く事、マラソン、ジムでのトレーニング。

好きな言葉は「有言実行」

夢は、ワクワクしながら毎日元気に生きる人を増やす事と、同じ志を持つ仲間を増やす事。

 

19歳で美容師になり今年で美容歴は13年目になります。
目黒のサロンに9年勤めたのち吉祥寺に1回目の独立。友人と3人で共同経営でした。
2017年12月に吉祥寺を抜け、2018年4月から六本木に自宅兼サロンをオープンしました。

サロンで、マツエクと整体もやっています!

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